【72点】中小企業診断士 二次試験再現答案(令和2年度・事例Ⅱ)

2021年8月1日

この記事に記載していること

令和2年度の中小企業診断士試験に合格してから、はやくも数か月が経過しました。
ようやく得点開示請求への回答が中小企業診断士協会からありましたので、この得点結果とともに皆さんに再現答案をお示しするとともに、試験当日の回答作成にあたっての私の頭の中の状態を交えながら公開させていただきます。

なお、事例Ⅰの再現答案はこちらをご参照ください。
事例Ⅲの再現答案はこちらをご参照ください。

この投稿では、令和2年度の中小企業診断士試験・事例Ⅱ(マーケティング)に関して記載をしています。
なお、問題文については、AASのサイトがよくまとまっていてわかりやすいのでそちらをご参照ください。
(令和2年度二次試験・事例Ⅱ問題文)

前提として…私のバックグラウンド

本題に入る前に、前提として、私の受験歴や試験当日までの経験値などについて、簡単に触れておきます。

私は大学を出てから、社会人として20年以上働いてきましたが、主に社内取扱いの作成や営業、現場管理などをやってきました。中小企業診断士試験との関係でいえば、少なくとも二次試験についてはどこにも有利になる知識バックグラウンドの要素はありません。文章を書くのは苦にならない、ということくらいでしょうか。

実際、二次試験は合格するまでに3回も受験しました。
そんな有利になる知識のない私でも、試験当日に書くことができた内容ですので、多くの方の参考になるのではないかと思います。

このあと随所に出てきますが、ポイントは自分のセンスや考えを答えるのではなく、「問われていることは何なのか?」を考えて回答に表現することだと思っています。これに徹してから、一発で二次試験に合格できました。(素晴らしい得点ではありませんが・・)

与件文を読んで考えたこと

まず、与件文を読んで考えたことですが・・
ハーブ? 今まで自分の生活に関わりが薄すぎて、イメージしにくいなぁ。
地域興しのようにしていったら良さそうだよね。そのためにはOEMだとダメで、自社ブランドでしっかり売れるようにしていかないと。
そういえば、辛子明太子をアメリカで売るとき全然売れなくて、「博多スパイシーキャビア」という名前にしたら売れたんだそうな。売り物を買えるのではなく、売り方を変えていくことで実現していくことを考えないとね。

第1問(配点20点)

<試験当日の頭の中>
出ましたSWOT。 意外と難しいのよね。字数少ないし。
できるだけシンプルに書いて、入れ込める要素は漏らさないようにしないと。
どこに入れるか迷う要素もあるよね。

<再現答案内容>
強み: 生産性の高いハーブ栽培法、粉末加工まで一貫対応する能力、大手取引による信用力。
弱み: 自社ブランド認知が低く、Z社への依存度が高いこと。ハーブYへの依存度が高いこと。
機会: 消費者の健康志向の高まり、ハーブが島の顔として認知されていること。
脅威: ターゲット人口の減少傾向、加齢による志向の移り変わり、Z社との取引中止可能性。

<書いてから思ったこと>
SWOTは入れ込めるだけ入れておくといいと思うんだよね。
外してなければいいけど。 まぁ、気にせず進もう。

第2問(配点30点)

<試験当日の頭の中>
おー、配点30点か。
「望ましい取引先構成」という言葉が微妙だな。
Z社依存からの脱却が中心だけど、「誰に」を言うには「何を」「どのように」「なぜ」といった要素も盛り込まないと答案として成立しない。
まとめるの大変そう。

要は新しいターゲットだから新市場への展開なのよね。
んっ?何か次の問題に「アンゾフ」とかあるぞ。次は多角化を答えさせようってこと?
とすれば、この問題ではあくまで今のハーブの健康食品としての位置づけから出ない方が無難?
健康・長寿の効用に絞って、それが受け入れられそうな先を考えてみよ。

<再現答案内容>
ハーブYの健康長寿の効用を活かし①島の旅館で名産料理として振舞ってもらう、②病院福祉施設で高齢者に提供してもらう、③アロマ・香水として島の土産物店で扱ってもらう。これによりZ社依存から脱却する。

<書いてから思ったこと>
もっと具体的に踏み込んで書きたかったが、字数が足りなかったな。
「望ましい取引構成」という問いに対して、果たしてこれで良かったのだろうか?
なんだか言い放っている感じがして、これだとB社さん困りそうだけど。
まぁ、いっか。

第3問(配点30点)

設問1

<試験当日の頭の中>
アンゾフってこんな風に出題されるの?
50文字って少なっ!

なぜ設問2のオンライン上のコミュニケーション施策の前に、設問1でアンゾフを入れているのかな?
新しい顧客、新しい商品・・・多角化だからそういったことが重要になるのだろうね。
「両利きの経営」で読んだけど、「探索」の方向なんだろうね。
やっぱり「多角化」で決定。

<再現答案内容>
ハーブの異なる効用に訴求して新しい製品を出し、従来と異なる直販市場を開拓した多角化の例である。

<書いてから思ったこと>
実際のところ多角化とまで言えるのかな? イメージ的には多角化ってもっとこう大きな方向転換のような気がするんだけれど。
まぁ、いいか。

設問2

<試験当日の頭の中>
「顧客を製品づくりに巻き込みたい」「関与を高める」
ここに正面から答えたいよね。
双方向のコミュニケーションができることが大事だな。
誰に、何を、どうやって、その効果・・これを書きたいよね。

「自社オンラインサイト上で」
島に招待とかしたいけどリアルイベントはダメ。他社サイトもダメ。
ここは注意しておかないと、ここから出ないようにと。

<再現答案内容>
大都市圏の働く女性を対象にHP上で商品アイデアを募り、試作配布しアンケートを取りランキング掲載。上位アイデアは製品化してHP上で発案者を紹介。これにより口コミ喚起しニーズ把握・商品作りに活かす。

<書いてから思ったこと>
もう少しこう「ハーブのファンになってもらう」っていう感じが出したかったのですが。
でも、まぁいっか。

第4問(配点20点)

<試験当日の頭の中>
なるほど。第3問がオンラインで、第4問がリアルイベントですな。
島の自然のアピール以外でのリアルなイベントアイデアを具体的に書きたいな。
島全体で応援するような感じで。

<再現答案内容>
島の旅館と連携しイベントでハーブ利用の食事を提供。農家と連携しハーブの収穫体験イベントを開催して商品化アイデア上位者にはハーブの一坪オーナーになってもらう。行政と連携し島内の写真コンテストを開催する。

<書いてから思ったこと>
3つの連携先と具体的施策を一応書けたかな。
ハーブの一坪オーナーとか、オリジナルすぎて求められていないだろうけど。
確か日本海のタコを通販で売るときに、タコ壺オーナーになってもらって年に数回引き揚げてタコが入っていたら送ります、っていうのがあったな。面白いことが大事。

振り返り

結果して72点ということで、十分な水準の得点がとれていました。
事例Ⅱは、どうしても具体策のアイデアが湧いてきてしまい軸のない答案になりがちなので、直後は不安が大きかったです。
それでも良い結果が出たのは、「誰に、何を、どこで、どうやって、その効果は」という点を意識していたことだと思っています。この点はこれから受験するみなさんにも伝えたいコツです。