【56点】中小企業診断士 二次試験再現答案(令和2年度・事例Ⅰ)

2021年8月1日

この記事に記載していること

令和2年度の中小企業診断士試験に合格してから、はやくも数か月が経過しました。
ようやく得点開示請求への回答が中小企業診断士協会からありましたので、この得点結果とともに皆さんに再現答案をお示しするとともに、試験当日の回答作成にあたっての私の頭の中の状態を交えながら公開させていただきます。

この投稿では、令和2年度の中小企業診断士試験・事例Ⅰ(組織・人事)に関して記載をしています。
なお、問題文については、中小企業診断士協会が公表しておりますので、そちらをご参照ください。
(令和2年度二次試験・事例Ⅰ問題文)

なお、事例Ⅱの再現答案はこちらをご参照ください。
事例Ⅲの再現答案はこちらをご参照ください。

前提として…私のバックグラウンド

本題に入る前に、前提として、私の受験歴や試験当日までの経験値などについて、簡単に触れておきます。

私は大学を出てから、社会人として20年以上働いてきましたが、主に社内取扱いの作成や営業、現場管理などをやってきました。中小企業診断士試験との関係でいえば、少なくとも二次試験についてはどこにも有利になる知識バックグラウンドの要素はありません。文章を書くのは苦にならない、ということくらいでしょうか。

実際、二次試験は合格するまでに3回も受験しました。
そんな有利になる知識のない私でも、試験当日に書くことができた内容ですので、多くの方の参考になるのではないかと思います。

このあと随所に出てきますが、ポイントは自分のセンスや考えを答えるのではなく、「問われていることは何なのか?」を考えて回答に表現することだと思っています。これに徹してから、一発で二次試験に合格できました。(素晴らしい得点ではありませんが・・)

第1問(配点40点)

まず、与件文を読んで考えたことですが・・
このA社長の祖父である有力者が最終的に目指すことは、「地域の活性化」なのだな。
地域が活性化することで、旅館などの自身の既存のビジネスも一緒に発展させていくのが理想的な姿なのだろう。
一定の地域で根を張って様々なビジネスをやっている歴史ある同族企業。実在する会社でも、そういった会社はたくさんあるな。

設問1

<試験当日の頭の中>
問題文に「A社を買収する段階で」と書いてあるな。
その当時のことを答えるようにしないと。

「企業グループを経営する地元の有力実業家」と書いてあるぞ。
これは、A社のことだけではなく、グループのことも考えて書けということか。

「経営ビジョン」か。
与件文を読んだ際に考えたような「地域の活性化」が最終的に実現したいことなんだろうな。
与件文に「200年の年月に裏打ちされた老舗ブランド」とあったな。これを中核として。

書き切れるかな?

<再現答案内容>
酒蔵の200年の歴史に裏打ちされた老舗ブランドを中核的経営資源として、日本文化や伝統に憧れる来訪者をターゲットに酒販のみならず飲食・宿泊の需要も取り込むことで地域経済を発展させること。

<書いてから思ったこと>
グループのシナジーを出すという意図が伝わったかな? まぁ、いいか。

設問2

<試験当日の頭の中>
前の経営者や従業員など、前の会社の良さを引き継ぐ必要があったわけだよな。
従業員は、酒造りには欠かせない存在だからか。地域の雇用を維持することも「地域の活性化」には大事だな。

経営者は? 創業家の一族か。
結局は、これも「200年の年月に裏打ちされた老舗ブランド」を活かすため。
創業家はこの象徴という感じか。

<再現答案内容>
理由は、酒造りの技術的支援を得るとともに歴史に裏打ちされた老舗ブランドの体現者としての語り部的役割を期待するため。これにより地域との結びつきのなかで全体を活性化させる。

<書いてから思ったこと>
なんだか老舗ブランドにこだわりすぎて、前の設問と似たような感じだな。まぁ、いいか。

第2問(配点20点)

<試験当日の頭の中>
ウチの会社でも、ベテラン事務員が仕事を抱え込んでブラックボックス化してるんだよな。
そもそも、今どうやっていて、何が問題かが分からないと、どのようにシステム化するかも分からんな。
「見える化」からだな。
オペレーションの話だから事例Ⅲのようになってしまうけど、まぁいいか・・。

<再現答案内容>
まずベテラン事務員の事務のやり方を確認しフローに整理して見える化する。そのうえで不要な事務を廃止し、簡素化できる事務を改善、事務の順序を変えるなど整流化する。これをもとにシステム要件定義をする。

<書いてから思ったこと>
これは外してないと思いますけど。というか、他に方向性がないかと。

第3問(配点20点)

<試験当日の頭の中>
従来はルートセールスだったのか。営業先は酒の卸売業者だったんだろうな。
そのときには御用聞き営業で、頻繁に訪問して顔を覚えてもらって関係づくりするのが大事だったんだろうな。
うちの会社の年配の人たちと同じだわ。

今後は直販になるといっても、消費者に直に売るわけではないよね。通販とか考えられるけど。
小売店とか飲食店に売っていくイメージで良いのだろうか。
いずれにしても、相手のニーズを把握することが今まで以上に大事になるんだろうね。

<再現答案内容>
直販の対象となるエンドユーザーのニーズを把握する能力を伸ばすこと。具体的には営業先での質問して顧客の動向や消費者の嗜好の変化、競合の動きなどを把握し、これをロジカルに分析して戦略に反映する能力。

<書いてから思ったこと>
なんか事例Ⅰっていう感じがしないのよね。事例Ⅱっぽい感じ。まぁ、これ以外に考えつかないからいいけど。
通販とか考えたほうがよかったのかな?

第4問(配点20点)

<試験当日の頭の中>
グループ全体の人事制度??グループの総帥として?? うーむ。
地域の発展を考えると地元に雇用を生むことが大事だけれど、会社としての発展を考えると多様性を持たせることが絶対に必要だよな。
グループ会社間での人事交流とか? 関係ないか・・。
これはよく分からないから、部分点狙いかなぁ。

<再現答案内容>
現状の地域との共生理念に基づく家族的一体感を維持しつつ、グループ諸事業の違いを踏まえて若手の積極登用や成果主義を入れることでモチベーション向上・組織活性化を行っていくことに留意すべき。

<書いてから思ったこと>
これはわかりません。お願い、部分点ください!

振り返り

結果して56点という合格ラインを下回る得点でした。
書いた直後はそれなりに守れているだろうと考えていたものの、今にして思うと大きな反省点があります。それは、自分の勤務している会社をイメージしながら書いたこと。これは、試験では出題者の意図に気づかなくさせる厄介者です。できるだけ客観的に澄んだ目線で問題に取り組むことが受験期間を短くするポイントのように思います。