【5分で読める要約】「SENSE」にはネットでの勝ち方のヒントが詰まっている!

堀内進之介「SENSE インターネットの世界は『感覚』に働きかける」日経BP

「人間はラクな方に流れる。 そして、戻れない」

帯に書かれた言葉が衝撃的で、感情に訴えてきます。

インターネットの世界が普通になり、デジタルネイティブの世代がどんどん活躍しているいま。
この人間の行動原理を知ることが、インターネットでビジネスをする者にとって重要です。

「目にとめてもらうためには、何が必要なのか?」
「アクションを起こしてもらうために必要な仕掛けとは?」

そんなことに日々悩んでいる方には、必ずヒントが得られる一冊です。

わたしも、衝撃的な帯の言葉に反応して、衝動買いしてしまいました。

とくに第1章から第3章までは、引き込まれるように読んでしまいました。
第4章は実践編で、クリエイティブの方には参考になる内容かと思います。

ネットで勝つための「ラクな方」ー「SENSE」が伝える6つのこと

情報の受け手を負担から解放させる

この本「SENSE」が一貫して伝えてくれているのは、情報の受け手は「理解の負担」「判断の負担」を感じてしまうと、その時点で、もはや理解することを放棄してしまうということ。

複雑なメッセージは、考えなければ理解できない。
深く考えなければいけない情報は、途中で理解の意欲がなくなる。

だから、途中で読み飛ばされてしまう。

逆にいうと「理解の負担」「判断の負担」を減らしたメッセージを伝えることで、より伝えることができ、リアクションも引き出すことができる、ということになります。

考えなくても、努力しなくても得をする。

私たちは、そんなメッセージを無意識のうちに選択しているわけです。

「2個で半額」よりも、「2個目無料」の方が反応率が顕著に高いというのもうなずけます。

これも「無料」という言葉がオートマチックに「お得」という感覚に繋がることで、情報の受け手にとっての負担を減らしているからだといえます。

情報の受け手に判断・意思決定をさせない

人は、無意識のうちに判断・意思決定の負担を回避する傾向にある。

だから、ユーザーの「選択」の負担を免除するものが受け入れられやすい。

高度経済成長期と違い、いまの世の中は一通りの欲しいものはすでに手にしている。
だから、消費者にとっては意欲をすることができない。

そこに僅かな違いを訴求したところで、消費者は反応しない。

むしろ、意欲できない消費者に判断、意思決定の努力を回避させるやりかたの方が、反応を引き出すことができるわけです。

意思決定を免除する典型的な例は、サブスクですね。
サブスクリプション契約は、毎回の購入するという意思決定を免除しています。

「月額3000円で使い放題」
「新鮮やさい定期便」

こんなサービスもサブスクと同じように、都度の意思決定を免除している例といえます。

他人が選択している事実を突きつける

人は、他人の選択をもとに自分の選択をする傾向がある。

「あの人が面白いと言っているから、きっと面白い」
「行列ができているから、あのお店はおいしいのだろう」

こんな風に思った経験はありませんか?

人間の判断・評価というものは、自由な判断のようで周りに影響されているものです。

「影響力の武器」で知られるロバート・チャルディーニは、これを「社会的証明」と呼んでいます。

人を説得したり、行動を起こさせるためには、他人が選択している事実を証明として突きつけることが有効だということです。

さまざまな商品・サービスの紹介でも、お客様の声や導入事例が必ずありますよね。

これは、他人が選択している事実を突きつけることで、「きっと満足できるものであろう」という判断を自動的に引き出すための方法だといえるでしょう。

とくに売り手と買い手で情報格差があるものほど、この社会的証明の原理は顕著だと考えられます。

だから、モノよりもサービスでは導入事例を各社がこぞって掲載しています。

情報をシンプルにして、認知の負荷を切り下げよ

私たちが普段、ネットのニュース記事を見ているとき、文字ばかりが並んでいると読む気がなくなってしまいます。

見出し、写真、図、強調文字をざっと目にして、数秒の間に読むべき情報かどうかを決めています。
その間、ほんの数秒だと思います。

伝えたいことがシンプルに表されていなければ、その瞬間に読み飛ばされる。

情報が多すぎたり、論理が複雑なものは、認知の負荷が高いので読み飛ばされるでしょう。

ぱっと見たときに「あぁ、そういうことね」と大筋がつかめるように情報を伝えていく、ということが大事だということでしょう。

話す早さやトーンが伝わり方に影響する

嘘をつくとき声のトーンが上がる。
声のトーンが高いと、信用できないと感じやすい。


「ドラえもん」のスネ夫、「アンパンマン」のバイキンマン。
どちらもキャラクターと声が密接に関連しています。

同じように、次のような反応も自然に生まれます。

話すのが速い人は、より知的、知識豊富、真剣、説得力ありと感じやすい。

早口で次々と専門的なことを話す人。
聞いている方は、早すぎるので理解が追いつかない。
でも、なんだかわからないが、頭いいっぽく感じる。
理解しないのに好感を持つ。

「なんだか分からないけれど、きっこの人はわかってるんだろうな」

同じように低い声の方が説得力を感じてしまう。

だから、早口で説明をたたみかけて、最後に低い声でゆっくりと念押しをすれば、相手の同意を引き出しやすいということが言えると思います。

情報が受け手に伝わる優先順位がある

受け手が情報に接した際、認知・受容される情報には優先順位がある。
複数のメッセージを伝えるとき、同時に伝えると順位の高い方だけが認識されて、低い方は認識されない。

だから、一番伝えたいことに絞ってシンプルにするのがよいでしょう。

第1位 ベネフィット

自分にとって得なこと。
これを受け手は無意識のうちに選別している。

だから、ベネフィットを最も目立たせるのが得策です。

ただし、理解が難しいベネフィット内容は敬遠されます。
「無料」などの分かりやすく、理解の負担がない情報の伝え方が大事です。

第2位 新情報

世間にとっての新しい情報。

「新登場」「初公開」など。
新しいことを簡潔に伝えるだけで、その情報に対する意識が生み出されます。

第3位 好奇心

「はっ」とするメッセージ。
ある前提条件にある人に対して、意識を向けさせる内容。

「そうだ!京都いこう」もそうでしょうか。

第4位 かんたんさ

「クリックするだけ」
「ボタンを押すだけ」

複雑な操作や手続きが必要なものは、敬遠されてしまいます。

だから専門的な知識や理解のための努力をしなくても、簡単にできることに意識が向きます。

「SENSE」わたしの活かし方

わたしは営業マンで、部下をもつ管理職です。
お客様へのプレゼンだけでなく、社内での説明にも活用しています。

この先を予想させることで、認知の負荷を下げる

説明を始めるにあたって、この先を予想させることができれば、受け手にとっては理解の負荷がぐっと下がります。

「まず結論から話せ」
「エグゼクティブサマリーを最初に示せ」

きっと本質は同じことだと思います。

部下にも説明の際にそれを求めています。

1枚の資料で言いたいことは1つ

1枚の資料に多くのことが詰め込まれていると、何を言いたいのかが分からない状態になります。
そして、理解することが放棄されます。

「うーん、よく分からん」

上司に説明した際、こんな反応が出た場合は、複雑になりすぎている可能性があります。

1枚の資料では、言いたいことは1つに絞る。
それが難しければ、箇条書きにして順に見るべき場所を指し示して説明する。

パワーポイントでアニメーションを使うのは、まさにこのためだと思います。

資料の全体を見せてしまうと、まだ説明を始めていない部分まで目がいってしまいます。

相手の理解レベルに合わせて粒度を調整する

つい先日、部下から説明を受けた際、わたし自身が「う~ん、よくわからん」と理解を放棄したくなってしまいました。

それは、バックグラウンド知識がない受け手に対して、伝え手が前提知識を飛び越えて説明をしてしまったため。

相手の理解レベルに合わせるということは、理解・納得を引き出すためにも重要だと思います。
社内の人・委託先ならば理解の努力をしてくれますが、営業相手となると理解を放棄されてしまいかねません。

「SENSE」書籍情報

堀内進之介「SENSE インターネットの世界は『感覚』に働きかける」日経BP、2022年