【5分で読める要約】「モンク思考 自分に集中する技術」はビジネスパーソンにおすすめ-禅の世界に通じる思考法

2023年1月7日

ジェイ・シェティ「モンク思考 自分に集中する技術」東洋経済新報社、2021年

インド系イギリス人である著者のジェイ・シェティ氏。
親の反対を押し切って、学校を卒業後にインドに渡り、アシュラム(僧院)での修行に身を投じます。

その修行を通じて得た、思考法や気づきなどの”智恵”をふんだんに書いてくれているがこの本。

「やることがいっぱいあるのに、何から手をつけてよいか分からない」
「この先に起きそうなことを考えると、一歩を踏み出すことができない」


そんな境遇にいる方に、是非読んでもらいたい本です。
とくに、ビジネスパーソンの方には読んでもらいたいです。

この本で直接的に禅のことを触れているわけではないのですが、若い著者が修行で気づいたことは、私には禅の教えと重なるところがたくさんあるように思えます。
禅の教えが、普遍的な考え方を含んでいることが表われているのでしょう。

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「モンク思考 自分に集中する技術」をおすすめする3つの理由!

現実社会で すぐにでも 活用できる思考法が得られる

僧院での修行と聞くと、難しい抽象的な話をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

その手の本は、どうしても抽象的で答えのない話が多いのはたしかです。
その結果、「で、何を言いたいんだっけ?」となるケースも少なくないです。

でも、この本は論旨が明快で読みやすいです。

著者のジェイ・シェティ氏は、学校を卒業後に僧院で修行し、その後は現実社会で活躍しています。
修行で得られた知恵を、現実社会で暮らす人々に広めている方です。

だからこそ、自身の経験をもとに、一般の人が実践しやすいように分かりやすく伝えてくれています。

「禅の思考」のエッセンスが詰まっている

この本には、とにかく智恵が詰まっています。

「いま、ここ、自分」に集中するということ

心が乱されているとき、どんな状態に陥っているのか。

まだ起きていないことを憂いていたり、他人が自分をどう思っているかで悩んでいたり…。

でも、大事なことは、コントロールできないことに悩むのではなくて、コントロールできること(=変えられること)に焦点を合わせること。
それが、「いま、ここ、自分」。

未来は「いま」の積み重ねの先にある。
いまこの瞬間のここにいる自分自身に焦点を当てて、何をすべきかを冷静に考えれば、自ずとやるべきことが見えてくるはずです。

「脚下を照顧せよ」

そんな禅の教えに通じているように思えます。

修行で得たことを実生活で活かすことこそ重要

修行は、それ自体が目的ではありません。悟りを開くことが人生の目的ではありません。

修行を通じて会得したものは、実生活で活用されてこそ価値をもってくるというわけです。

人間は社会のなかで生きています。
だから、実生活を良くするものでなければ、修行に何の意味があるというのか。

そんなことを言っているのだと思います。

禅の世界では、すべてが修行です。
庭を掃くのも修行、食事の準備をするのも修行。

修行と実践が一体化している禅の考えは、この本の著者が主張していることと重なってきます。

プラグマティズムの理念と合わさって、禅の考え方に欧米で理解者が多いのもそのためではないでしょうか。

若者の目線からの活きた人生観を感じられる

この本の著者ジェイ・シェティ氏は、学校を卒業後すぐにアシュラムでの修行に身を投じています。

長年、寺院で修行をした老僧の言葉ではなく、未来を見据えている若者の言葉であることも、この本の大きな特徴です。

まだ長い人生の残りの時間を生きる指針として、若い方にも参考になるものと思います。

「モンク思考 自分に集中する技術」わたしの活用法

社会人として、小さな部署を率いる立場にいる私にとっては、この本から学ぶことはたくさんありました。

「やることが多すぎて、時間が足りない」からの脱出

会社として達成するべきこと、現在の部署の状況、部下の考え…
さまざまな要素があると、やるべきことが定まらなくなって、すべてを同時に進めてしまうこと、ありませんか?
そういうときは、たいてい失敗しますよね。

そんな状態のなかで、一人冷静になって「いま、ここ、自分」に集中してみると、やるべきことの優先度が見えてくるようになったと思っています。

一番大切なこと、一番の本質は何なのか。

それを考えて、決断する。
そうすれば、迷いがなくなります。

学びを実践することへのこだわり

研修でも自己啓発でも、何かを学んだ後、「いいことを聞いた。いつかやろう。」では、学ばなかったのと同じです。

小さなことでもよいので、学びを仕事に活かすということは徹底するようになりました。

部下にもそれを求めています。
うるさい上司かもしれませんが、いつか気づいてくれる日がくると信じて。

「モンク思考 自分に集中する技術」書籍情報

ジェイ・シェティ (著), 浦谷 計子 (翻訳)
「モンク思考 自分に集中する技術」
東洋経済新報社、2021年