【経理マネージャー必見】会計仕訳の自動化、限界を感じたときに見直すべき3つの視点
目次
1. そもそも「自動化で何を目指していたか?」を振り返る
コロナ禍をきっかけに、請求書の電子受領が進んだ企業も多いはずです。その一方で、受け取った請求書の会計仕訳入力は、いまだに人手による作業が多く残っています。
多くの企業がAIや自動化ツールに飛びついたものの、期待ほどの成果が得られなかったという声も聞かれます。
ここで一度、原点に立ち返ってみましょう。
仕訳業務の自動化で目指していたのは、「すべてをAIで判断させること」だったでしょうか?
本来の目的は、業務の属人化を排除し、人による判断の労力を減らすことだったはずです。
つまり、完全自動化よりも「判断基準の形式知化」や「省力化」が、現実的かつ効果的なアプローチなのです。

2. 自動化がうまくいかない4つの“現場の壁”
① 自社特有の会計ルールが複雑すぎる
経理処理の多くは、企業ごとの管理会計ルールや部門別配賦、プロジェクト別集計など、非常に細かな運用がされています。
特に、大手企業では月次決算の精度を求められるため、明細単位での処理や社内コードの変換が必要になるケースも少なくありません。
② 取引先ごとの請求書がバラバラ
請求書のレイアウトは取引先ごとに異なり、OCRを使ってもどこを読み取るべきかを人が判断しないと正確なデータ化が難しいのが現状です。
さらに、摘要欄の表現も曖昧だったり、金額の位置が独特だったりと、読み取り精度に限界があります。
③ AIでも対応できない“例外処理”の山
似たような取引でも、勘定科目が微妙に異なるケースは多々あります。業界や社内の慣習、経営判断が関与するため、AIが自動で判断できる範囲には限界があります。これが「思ったより精度が出ない」主な理由のひとつです。
④ SaaSサービスは“柔軟な対応”が苦手
多くのSaaS型の仕訳自動化サービスは、標準機能が中心であり、企業ごとの個別ニーズへの対応には限界があります。そのため、「我が社では使えない」「結局人が手直しする必要がある」といった課題が浮上してしまうのです。

3. 「限界を超える」ための実践アプローチ
① 判断基準の形式知化(ルールとして定義)
「属人化」された判断基準を明文化し、誰でも同じように仕訳できるルールに落とし込む。たとえば、「○○という摘要が含まれていたら、勘定科目は××にする」といったマトリクスを整備することで、AIやツールによる処理がしやすくなります。
② AIに“学ばせる”ための設計と継続運用
AIは「学習」させることで賢くなります。初期設定だけで満足せず、例外処理を都度フィードバックする設計をすることが、自動化精度を上げるカギになります。定期的な精度評価や誤りの傾向分析も効果的です。
③「自動で済む部分」と「人が判断すべき部分」の切り分け
最初から100%の自動化を目指すのではなく、例えば「7割自動、3割チェック」といった役割分担を前提とする方が、効率と品質のバランスが取れます。とくに明細単位の確認や差異検知だけを人が行う仕組みにすることで、現場の負荷は大きく軽減されます。
まとめ:会計仕訳の自動化は「限界」を知ることから始まる
多くの企業が、AIやRPAに過剰な期待を寄せた結果、理想と現実のギャップに苦しんでいます。
けれども、自動化の「限界」をあらかじめ認識したうえで、ルールの整理や部分自動化を進めることが、最も現実的かつ効果的なステップです。
そして近年、こうした「限界を前提とした」柔軟な仕組みをもつ実用的なツールも登場しています。
気になるサービス:「請求書仕訳支援クラウド」
- 自社の仕訳ルールや業務プロセスに合わせて設定可能
- OCRだけに頼らず、ルールベースでの仕訳が可能
- 管理会計コードや勘定科目の変換ルールも柔軟に対応
- 部分自動化・例外管理の両立に向いている設計
業界ごとの特性や企業ごとのルールに寄り添う仕組みで、現場にフィット可能性が高いサービスのようです。検討を進める際の選択肢にしてみるのもよいかもしれません。
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